田辺ジオパーク研究会三周年記念講演会
2018.03.18
3月18日(日)は田辺ジオパーク研究会3周年記念講演会、お世話になっています吉松先生の講演をいただきました。
T会長の挨拶に始まり、H氏によりこの1年間の活動内容を時系列に写真中心に紹介されました。
今回のテーマは「ネイチャーランド田辺 -大地の歴史をさぐる- 田辺の地形と地質」。先ず、イントロとして谷川俊太郎氏の詩「朝のリレー」をご紹介され、「カムチャッカの若者がキリンの夢を見ている時メキシコの娘は、朝もやの中でバスを待っている・・・経度から経度へと・・・」 経度という単語が出てきますが、日の出は地球の自転により東から西へと移行していきます(赤道近辺)。ところが、太陽に対する地軸の傾き、日本が存在する地球上の場所、日本は島弧諸島であることから,冬至あたりでは千葉の日の出時刻が根室の日の出時刻より早くなるケースがたまたま発見してということを話されました。NHKの0時前のニュースで、毎日翌日の「日の入り時刻と日の出時刻」を放送しますが、先生は毎日これを聞いて就寝されるらしい。そのときに、あれれと思ったそうです。
メッセージ:地球科学・地質学は日常生活と密接に関わっている。時刻、日々の天気、土質・地盤、地震・津波防災・・・その題材(テーマ)はいろんなところで見つけることができる。身近な自然現象の中で、ふとした疑問を持つことが重要である。
「山と川」のテーマでチベットからヒマラヤ山脈を越えて流れる川があるという、これはヒマラヤ山脈の形成と川が下剋する長期の活動を考えないと説明がつきません。このような事例を前段として、広い地球上の話題から身近なサブテーマとして「川の浸食・運搬・堆積作用と地形」に入っていき、次のような主項目にてわかりやすく解説いただきました。
・穿入蛇行 この例としては龍神村柳瀬の檜皮の滝を含めた蛇行の形成の話を紙を使って大地が褶曲された中を川が流れる様子を紹介。
・小森地形 一般には環流丘陵と呼ばれていますが、
1.蛇行切断型として田辺市本宮町皆地にある四村神社のある丘陵・田辺市龍神村甲斐の川小森を例に説明。
2:河川争奪型として田辺市龍神村柳瀬菖蒲ノ谷が好例。
3:複式型として田辺市龍神村殿原小森が好例。
4:県内に見られる「小森」のつく地名を紹介(例外的に木守)。
5:環流旧河谷(かこく)の形成要因の3つのタイプと環流旧河谷と現河床の比高は30メートル以下の箇所が半数を超えることを紹介。また、近畿地方では環流旧河谷(環流丘陵)の数が紀伊半島で圧倒的に多い。
・河岸段丘(河成段丘)の形成過程
・河川の浸食・運搬・堆積作用の要素(地殻変動・気候変動・河川水・風化作用等)が加わり、結果として穿入蛇行や河岸段丘が形成される。
・「河川は川底に設置されたノコギリ(壁面・斜面崩壊、濁流)であり、ベルトコンベアである」
・「紀伊半島にかかっている力と屈曲構造」 三つのプレートの力がかかっている。
・土砂災害と浸食作用
・地殻変動と山地の隆起 隆起は人間の目にはわからないが、100年間に10cm(100mm)の隆起で100万年でほぼ1000mの隆起スピードである。山には位置エネルギーが存在し、隆起活動によってイチエネルギーが増加し、根本はプレートの運動に由来。
・歴史年表 第四紀(258万年前から現代)を考える(今回の時間フレーム) 20m高の河岸段丘があった場合は、2万年くらいの時間フレームを考えればよい。火山活動を知る場合は火山灰の堆積が証拠になるが、県内では赤ホヤ火山灰層分布、姶良火山灰層分布の地層が発見される。可能性として最近確認された鬼界カルデラの溶岩ドームの活動
*防災関係の事例
・1779年の安永桜島大噴火が万代記に記録されていた
・津波の記録 1700年のアメリカ西海岸のカスケード大地震による津波は田辺市に波及。・1960年のチリ地震による津波でも田辺市に被害。
【天災は忘れた頃にやってくる】(天災はその恐ろしさを忘れた頃にまた起こるものであるから、用心を怠らないこと・油断は禁物であるという戒め。寺田寅彦)
昨今、新燃岳も火山活動が活発になっていますが、私たちが生きている間に異常気象を起こすような火山災害がないとも限りませんね。
1.受付 お疲れ様
2.冊子の販売も好調
3.司会 お疲れ様
4.T会長 ご挨拶
5.熱気が溢れている
6.H氏による1年間活動履歴紹介
7.赤字は年間計画実施 黒字は自主研修
8.はじまりです
9.吉松先生
10.深~い 地球の自転・緯度経度と環境保全が
11.日の出時刻の例
12.日の出関係図
13.ヒマラヤを越えて流れる川
14.檜皮の滝(急流)
15.紙で褶曲を・・・・
16.やはり蛇行切断型が多い
17.河岸段丘の作られ方
18.下刻の様子
19.プレート・テクトニクスが根本
20.やっと現在の日本列島の形が
21.地球の歴史
22.火山灰層が見られるサイト
23.高さ約600mに及ぶ溶岩ドームが発見されたって!
24.万代記の記録
25.田辺大帳の記録
26.I氏 閉会の辞
27.デンパチにて①
28.デンパチにて②
3月31日 紀伊民報の田ジ研講演会の記事です。
T会長の挨拶に始まり、H氏によりこの1年間の活動内容を時系列に写真中心に紹介されました。
今回のテーマは「ネイチャーランド田辺 -大地の歴史をさぐる- 田辺の地形と地質」。先ず、イントロとして谷川俊太郎氏の詩「朝のリレー」をご紹介され、「カムチャッカの若者がキリンの夢を見ている時メキシコの娘は、朝もやの中でバスを待っている・・・経度から経度へと・・・」 経度という単語が出てきますが、日の出は地球の自転により東から西へと移行していきます(赤道近辺)。ところが、太陽に対する地軸の傾き、日本が存在する地球上の場所、日本は島弧諸島であることから,冬至あたりでは千葉の日の出時刻が根室の日の出時刻より早くなるケースがたまたま発見してということを話されました。NHKの0時前のニュースで、毎日翌日の「日の入り時刻と日の出時刻」を放送しますが、先生は毎日これを聞いて就寝されるらしい。そのときに、あれれと思ったそうです。
メッセージ:地球科学・地質学は日常生活と密接に関わっている。時刻、日々の天気、土質・地盤、地震・津波防災・・・その題材(テーマ)はいろんなところで見つけることができる。身近な自然現象の中で、ふとした疑問を持つことが重要である。
「山と川」のテーマでチベットからヒマラヤ山脈を越えて流れる川があるという、これはヒマラヤ山脈の形成と川が下剋する長期の活動を考えないと説明がつきません。このような事例を前段として、広い地球上の話題から身近なサブテーマとして「川の浸食・運搬・堆積作用と地形」に入っていき、次のような主項目にてわかりやすく解説いただきました。
・穿入蛇行 この例としては龍神村柳瀬の檜皮の滝を含めた蛇行の形成の話を紙を使って大地が褶曲された中を川が流れる様子を紹介。
・小森地形 一般には環流丘陵と呼ばれていますが、
1.蛇行切断型として田辺市本宮町皆地にある四村神社のある丘陵・田辺市龍神村甲斐の川小森を例に説明。
2:河川争奪型として田辺市龍神村柳瀬菖蒲ノ谷が好例。
3:複式型として田辺市龍神村殿原小森が好例。
4:県内に見られる「小森」のつく地名を紹介(例外的に木守)。
5:環流旧河谷(かこく)の形成要因の3つのタイプと環流旧河谷と現河床の比高は30メートル以下の箇所が半数を超えることを紹介。また、近畿地方では環流旧河谷(環流丘陵)の数が紀伊半島で圧倒的に多い。
・河岸段丘(河成段丘)の形成過程
・河川の浸食・運搬・堆積作用の要素(地殻変動・気候変動・河川水・風化作用等)が加わり、結果として穿入蛇行や河岸段丘が形成される。
・「河川は川底に設置されたノコギリ(壁面・斜面崩壊、濁流)であり、ベルトコンベアである」
・「紀伊半島にかかっている力と屈曲構造」 三つのプレートの力がかかっている。
・土砂災害と浸食作用
・地殻変動と山地の隆起 隆起は人間の目にはわからないが、100年間に10cm(100mm)の隆起で100万年でほぼ1000mの隆起スピードである。山には位置エネルギーが存在し、隆起活動によってイチエネルギーが増加し、根本はプレートの運動に由来。
・歴史年表 第四紀(258万年前から現代)を考える(今回の時間フレーム) 20m高の河岸段丘があった場合は、2万年くらいの時間フレームを考えればよい。火山活動を知る場合は火山灰の堆積が証拠になるが、県内では赤ホヤ火山灰層分布、姶良火山灰層分布の地層が発見される。可能性として最近確認された鬼界カルデラの溶岩ドームの活動
*防災関係の事例
・1779年の安永桜島大噴火が万代記に記録されていた
・津波の記録 1700年のアメリカ西海岸のカスケード大地震による津波は田辺市に波及。・1960年のチリ地震による津波でも田辺市に被害。
【天災は忘れた頃にやってくる】(天災はその恐ろしさを忘れた頃にまた起こるものであるから、用心を怠らないこと・油断は禁物であるという戒め。寺田寅彦)
昨今、新燃岳も火山活動が活発になっていますが、私たちが生きている間に異常気象を起こすような火山災害がないとも限りませんね。
1.受付 お疲れ様
2.冊子の販売も好調
3.司会 お疲れ様
4.T会長 ご挨拶
5.熱気が溢れている
6.H氏による1年間活動履歴紹介
7.赤字は年間計画実施 黒字は自主研修
8.はじまりです
9.吉松先生
10.深~い 地球の自転・緯度経度と環境保全が
11.日の出時刻の例
12.日の出関係図
13.ヒマラヤを越えて流れる川
14.檜皮の滝(急流)
15.紙で褶曲を・・・・
16.やはり蛇行切断型が多い
17.河岸段丘の作られ方
18.下刻の様子
19.プレート・テクトニクスが根本
20.やっと現在の日本列島の形が
21.地球の歴史
22.火山灰層が見られるサイト
23.高さ約600mに及ぶ溶岩ドームが発見されたって!
24.万代記の記録
25.田辺大帳の記録
26.I氏 閉会の辞
27.デンパチにて①
28.デンパチにて②
3月31日 紀伊民報の田ジ研講演会の記事です。