田ジ研自主研修 黒瀬川帯 黒島(由良町)カヤックツアー
2018.06.04
***参照画像は右段リンクの部分にLink先を入れてありますので、ご参照ください。

2018 0604 田ジ研自主研修の一環として、黒瀬川帯黒島カヤックツアーを催行いたしました。参加者は若干1名になってしまいました。アイランドストリームのH氏のガイドにより、素晴らしい晴天の中、適度に洞窟等があり穏やかな海面の中、黒島一周ができました。途中に上陸可能な小さな砂浜があり、ここで石の収集&昼食をとることができました。閃緑岩という一般的には見ることができない岩体の模様ですが、ハンマーで叩くとそんなに硬いとは感じません。多分、少しずつ島が縮小しているのではないでしょうか。この黒いごまが入ったような岩石は、四国西予ジオパークの黒瀬川帯の模式地である三滝渓谷にある一般に三滝閃緑岩に似ているようです。黒島の周囲を回ってみるとところどころに石灰岩が挟まれているように見受けられます。
西予市立城川地質館の情報として、以下のような記述があります。
「赤道からやってきた黒瀬川古陸
黒瀬川構造帯には、ピンク色をした美しい石灰岩があります。この石灰岩には、サンゴや三葉虫、腕足貝(わんそくるい)の化石をふくんでいます。約4億2700万年前の暖かい海のサンゴ礁に生きていた生物の化石なのです。城川町でも嘉喜尾のエガマ淵、窪野の中野川、寺野などにそのような石灰岩があり、化石がみつかっています。

赤道からやってきた黒瀬川古陸
黒瀬川構造帯には、ピンク色を呈した美しい石灰岩が分布しています。それは、造礁性サンゴ(クサリサンゴやハチノスサンゴ)をはじめ、その間をはいまわっていたであろう三葉虫や腕足貝の化石を産することで有名な、古生代シルル紀(約4億2千7百万年前)の暖かい海で形成されたサンゴ礁の化石なのです。
城川町でも嘉喜尾のエガマ淵、窪野の中野川、寺野などにそのような石灰岩が分布していて、化石がみつかっています。このような石灰岩は、黒瀬川構造帯に何百キロメートルにわたって点々と分布しています。このことは、当時の日本付近の気候が暖かくて、列島に沿ってオーストラリアのグレート・バリアリーフに比較されるような大サンゴ礁が発達していたということなのでしょうか?一方、サンゴや三葉虫の化石には、オーストラリアや南中国のものと共通種が多いことが昔から注目されてきました。このことにはどのような謎がかくされているのでしょうか?
その答えは、この石灰岩を含めて黒瀬川地帯の岩石が帰属していた「黒瀬川古陸」は、実はかつて存在していた「ゴンドワナ大陸」の一部であったらしいということです。」
また、N先生からは、
「黒島は上陸したことがありませんが,黒瀬川帯の三滝火成岩の花崗岩-花崗閃緑岩でできていることは古くから知られています。写真ではこの火成岩のなかに石灰岩が含まれているのは確認できませんが,三滝火成岩にはシルル紀の石灰岩が捕獲岩として含まれていることがあります.徳島県坂州,愛媛県黒瀬川などには大きな石灰岩岩体が分布しますこれらの石灰岩には日本列島における最古の化石,クサリサンゴ,ハチノスサンゴなどシルル紀の化石が含まれているので,石灰岩の形成時代はシルル紀とされています。ほかには飛騨外縁帯にも同様な石灰岩,珊瑚,三葉虫などの化石がみつかっています。」
この黒島の石灰岩にもクサリサンゴのような化石があるかもしれません。
機会があれば、次回は鷹島に行ってみたいと思います。
2018.06.04 00:17 | 固定リンク | 研究会活動履歴
田ジ研自主研修 ~第5回わが町再発見シリーズ~ 「日置川流域 大地の歴史」
2018.06.02
2018.06.02
田辺ジオパーク研究会 自主研修の一環として以下のジオサイト巡検に参加いたしました。

~第5回わが町再発見シリーズ~
「大地の歴史から日置川流域の歴史をたどってみませんか!」
日時:平成30年6月2日(土)
学習会場所:日置川拠点公民館
現地説明会場所:向平・安居・田野井
講師:前南紀熊野ジオパーク学術専門委員 中屋志津男先生
主催:日置川拠点公民館日置分館・三舞分館
協賛;ひきがわ歴史クラブ
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日置川沿いを訪れ、多面的な観点から 勉強が出来ました。
学習会概要を記します。
紀伊半島の地形とプレート運動というテーマでは、4つのプレートにより紀伊半島は全体としては隆起を続けています。細かくいえば日の岬を境に北部では沈降(->リアス式海岸)南部は隆起した海岸が発達しています。また海水面は何回かの氷河期・間氷期により上下を繰り返し、自然の作用により岩石海岸が発達してきました。河口には流失した土砂が沿岸流の影響で砂浜を形成しています。紀伊山地の河川は七つの代表的な川があり、それぞれの方向に流れる中で峡谷や河岸段丘・穿入蛇行を形成しています。日置川においても、中、上流地域では峡谷・岩盤地形が多く、下流地域では川幅が広く砂礫が堆積している部分が多いのが特徴です。下流部分は地質的には牟婁層群と田辺層群の境界に沿って流路があり、還流丘陵と穿入蛇行を形成しながら流れています。田野井・市鹿野と向平・中嶋付近と安居(あご)付近では穿入蛇行と河岸段丘・還流丘陵が発達しており、集落が形成されている。 田野井地区の西部にある高瀬山近辺には泥火山跡があり牟婁層群から貫入してきた形でかぶさっている地質帯になっています。又、見草川出口付近にも泥ダイアピルの貫入地層があり、袋漁港付近には泥火山から液状化により流れ出た泥角礫岩の層状地層を観察することができます。以下、掲載写真をご覧ください。
参考:ジオサイト・キーワード 泥ダイアピル関係=>白浜泥岩岩脈 鳥ノ巣泥岩岩脈 イセザキ泥岩岩脈 見草ダイアピル 市江崎ダイアピル 田野井ダイアピル

1.

2.牟婁層群と田辺層群の関係地質図 赤ラインが日置川

3.学習会様子

4.基本的プレートテクトニクスの説明中

5.牟婁層群と田辺層群の不整合

6.牟婁層群と田辺層群の不整合

7.紀伊半島の地形の特徴説明中

8.エビネ温泉 

9.安居(あご)暗渠施設を作った庄屋の記念碑

10.安居地区の方向 右が右岸

11.中嶋地区

12.暗渠の写真を見ています

13.穿入蛇行の背斜・向斜の説明中

14.昔の渡しの川幅はもっと広かったかも

15.安居地区の還流丘陵を説明中

16.田野井地区の土井城跡

17.田野井地区の土井城跡より

18.田野井地区の泥ダイアピルはあのあたり

19.泥ダイアピル・泥火山模式図 A&B

20.見草川と袋地区

21.見草川と袋地区

22.

23.見草川出口にあるダイアピルジオサイト A

24.泥質角礫岩体 A

25.泥質角礫岩体 A

26.袋地区のダイアピル 層状地層 B

27.対岸が袋漁港

28.袋漁港にある層状地層 B

2018.06.02 19:54 | 固定リンク | 研究会活動履歴
田ジ研自主研修 まちづくり研究会(旧田辺市)学習会(一回目)
2018.06.02
6月2日(土)に首記の会のの中の一テーマ「田辺の水環境を考える」ワークショップが行われ、会員2名が参加いたしました。

主催者コメント:
公共下水道のない田辺市内で、合併浄化槽の入らない地域、特に味光路が単独槽のみで飲食排水が垂れ流しの状態を何とか改善したいと農業集落排水のような小集落だけの下水処理が必要であることを市に訴えてきました。その取り組みをまちづくり研究会で勉強会を重ねてきましたが、この度、3回の講座で一般向けに学習会を行います。今回は、会津川の8か所ぐらいの地点の水を採取して、キットで汚染度の測定を行います。
参加者コメント:
講師は和歌山高等専門学校の教授と助手の2名でした。
先生から「水の汚れとは(BOD)」からの講義を受け、次に「生活排水にて汚れた水質の浄化」についての講義をうけました。講義のあと、左会津川と右会津川と、合流後の会津川での、合計9ケ所での河川水取水の原水を、各グループにわかれて、試薬の入った容器にいれて、原水の色変化を調べました。原水採取箇所を田辺市の地図にプロットしながら、採取場所を上流から下流にかけての地名箇所一覧表が掲示されて、その箇所ごとの各グループでの試薬の変化濃度の数値を記載していきました。
水質指標のBOD(生物化学的酸素要求量)とCOD(化学的酸素要求量)を基に、DO(溶存酸素量)の計測した結果、原水は上流ほど酸素量は多く、下流ほど酸素量は減少していました。原因は生活排水に含まれる有機物が増えているということです。旧田辺市内には、かなり単独浄化槽や合併浄化槽は設置されていますが、農業集落排水施設のような一元化した下水施設はなく、家庭用の合併浄化槽なら小型ですみますが、飲食店・集合ビル等営業施設なら大型の合併浄化槽が必要となります。

参考資料:
www.aikis.or.jp/~m-yasuko/ippan201503-1.pdf



2018.06.02 00:38 | 固定リンク | 研究会活動履歴

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