第24回 龍神村丹生ノ川還流丘陵(旧河谷)巡検
2018.11.03
第24回 田辺市龍神村の環流丘陵(小森地形)見学会
行程:龍神行政局→丹生ヤマセミの郷近くの小森川小森地形→安倍晴明神社→谷口姶良火山灰層→昼食@371号沿線→龍神村殿原の小森地形→龍神村東の小森地形→龍神行政局
例年11月3日には五穀豊穣を祈願した秋祭りがあちこちで執り行われています。
当初の年間計画に於いても晴天の確率が高いこの時期には、紅葉も期待して山側の見学希望が圧倒的に多く、南紀熊野ジオパーク学術専門員の吉松敏隆氏(=紀南・地名と風土研究会会員)からのご提案も頂き「小森地形」の実地検分となりました。 今回は、和歌山県田辺市龍神村を流れる日高川の支流、小森川と丹生ノ川に形成された3カ所の環流丘陵と、2015年に訪れた姶良火山灰堆積地です。(この露頭真上の橋は中辺路町に通じる国道371号線。今年3月から開通され大変便利になっています)
穿入蛇行が発達する中紀以南の地域の大半が四万十付加体と呼ばれます。白亜紀から第三紀中新世にかけて堆積した地層からなり、この四万十付加体の帯状構造が大きく乱れている為に、川の流れがくねくねと蛇行しているのです。
見学地の地層、音無川付加体の屈曲構造の形成時期については、2012年中屋志津男氏が論文を発表されています「・・・第三紀前期中新世の前期であるが、熊野層群と中期中新世の熊野酸性火成岩類が、四万十付加体とともに調和的に屈曲していることや、紀伊半島の穿入蛇行や山列などの地形発達とも密接に関連していることから、前期中新世以降現世まで続いていると考えられている。また、紀伊半島の四万十付加体は運動量の大きいフィリピン海プレートと太平洋プレートの応力場にあるが、付加が進行して沈み込み部から遠ざかるにつれ、前者よりも後者による帯状構造に平行な圧縮応力が強くなったと考えられている」。 このようにして紀伊半島では、地表面にまで及ぶ共役の背斜・向斜構造が穿入蛇行の著しい発達をうながしているようです。
山間をドライブしていると、川の側や平地の中にボツリと取り残された小さな山を見かけます。又、そのこんもり山の周囲には民家(集落跡)や田畑など、山間域の日常生活(跡)に出会えます。我々が実際に過ごしている時間より、地球上の営み過程を目の当たりにできる環流丘陵の深い物語と、先人たちからの生きる知恵と工夫によって更に風景もどんどん変化しつつの山並みも楽しみ、穏やかな青空の下、いつものように滑る冗談も交えながら意義ある見学・研修会となりました。
追記
庚申さんや仏像等の研究者として有名な堀敏実氏が12月3日16時20分 56歳の若さでご逝去されました。実は、今回の原稿をお願いしていましたが、11月27日午前11時42分「現在入院していまして、いつ退院出来るかわかりません。原稿は無理です。すみません。」と、メッセージを頂戴していました。堀さん、長期間の闘病生活お疲れ様でした。やすらかにお休みくださいませ。合掌
今回、最初に訪れた東平近くの小森で、南方熊楠翁ゆかりの民家の横から小森山に登られ「ここには珍しく庚申さんが見当たらない」と話されていました。 2018.12.5 文責CH
1.今回もほぼ車移動 楽といえば楽でしたが・・・w
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2.南紀熊野ジオパーク学術専門員吉松先生からルート説明と環流丘陵出来方をレクチャー中
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3.丹生ヤマセミ温泉から約5分移動 一番目の環流丘陵見学
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4.かなり隆起の激しい場所 眼下には南方熊楠も訪れたといわれる民家もあった
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5.穿入蛇行と屈曲構造が一目瞭然の場所
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6.自然湧出温泉お一人様700円
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7.安倍晴明ゆかりの晴明神社 五芒星(ごぼうせい)を晴明桔梗(せいめいききょう)として利用
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8.果無山脈は褶曲のオンパレード地帯
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9.姶良火山灰 2015年に訪れた時には まだ橋桁工事中だったが
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10.山側の中ほど白い筋が姶良火山灰層(AT火山灰層)
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11.姶良火山灰が積もっているところは大昔は川が流れている場所だったようです(約30Mの隆起)
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12.スラストについての説明 この辺りは田辺域では一番古い先輩地層です。
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13.2018年3月19日完成 龍神~中辺路間の国道371号バンジージャンプが出来そうな高さ!
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14.秋晴れランチタイムは大人でも楽しぃ!!
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15.地元メンバーから太っ腹たい焼きの差し入れに感謝感激♡ごちそうさまでした!
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16.殿原の環流丘陵現場
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17.ガードレール側の約20m下には現在の川が
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18.大地の隆起と川の流れが徐々に変わって小山が出来ている
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19.稲刈りが終わった田んぼが広がるのどかな山里
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20.3番目の小森を訪ねて
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21.①②③ 流路変化図
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22.コンセプトは学びと笑いとハイキング♪ お疲れさまでした~♪
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23. ジオポーズは・・・あららら~;;
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24.有意義な一日! ヨッシーさん ご多忙の中大変お世話になりました。
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25.音無川付加体の屈曲構造の簡単な説明
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26.日高川近辺の小森地形
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行程:龍神行政局→丹生ヤマセミの郷近くの小森川小森地形→安倍晴明神社→谷口姶良火山灰層→昼食@371号沿線→龍神村殿原の小森地形→龍神村東の小森地形→龍神行政局
例年11月3日には五穀豊穣を祈願した秋祭りがあちこちで執り行われています。
当初の年間計画に於いても晴天の確率が高いこの時期には、紅葉も期待して山側の見学希望が圧倒的に多く、南紀熊野ジオパーク学術専門員の吉松敏隆氏(=紀南・地名と風土研究会会員)からのご提案も頂き「小森地形」の実地検分となりました。 今回は、和歌山県田辺市龍神村を流れる日高川の支流、小森川と丹生ノ川に形成された3カ所の環流丘陵と、2015年に訪れた姶良火山灰堆積地です。(この露頭真上の橋は中辺路町に通じる国道371号線。今年3月から開通され大変便利になっています)
穿入蛇行が発達する中紀以南の地域の大半が四万十付加体と呼ばれます。白亜紀から第三紀中新世にかけて堆積した地層からなり、この四万十付加体の帯状構造が大きく乱れている為に、川の流れがくねくねと蛇行しているのです。
見学地の地層、音無川付加体の屈曲構造の形成時期については、2012年中屋志津男氏が論文を発表されています「・・・第三紀前期中新世の前期であるが、熊野層群と中期中新世の熊野酸性火成岩類が、四万十付加体とともに調和的に屈曲していることや、紀伊半島の穿入蛇行や山列などの地形発達とも密接に関連していることから、前期中新世以降現世まで続いていると考えられている。また、紀伊半島の四万十付加体は運動量の大きいフィリピン海プレートと太平洋プレートの応力場にあるが、付加が進行して沈み込み部から遠ざかるにつれ、前者よりも後者による帯状構造に平行な圧縮応力が強くなったと考えられている」。 このようにして紀伊半島では、地表面にまで及ぶ共役の背斜・向斜構造が穿入蛇行の著しい発達をうながしているようです。
山間をドライブしていると、川の側や平地の中にボツリと取り残された小さな山を見かけます。又、そのこんもり山の周囲には民家(集落跡)や田畑など、山間域の日常生活(跡)に出会えます。我々が実際に過ごしている時間より、地球上の営み過程を目の当たりにできる環流丘陵の深い物語と、先人たちからの生きる知恵と工夫によって更に風景もどんどん変化しつつの山並みも楽しみ、穏やかな青空の下、いつものように滑る冗談も交えながら意義ある見学・研修会となりました。
追記
庚申さんや仏像等の研究者として有名な堀敏実氏が12月3日16時20分 56歳の若さでご逝去されました。実は、今回の原稿をお願いしていましたが、11月27日午前11時42分「現在入院していまして、いつ退院出来るかわかりません。原稿は無理です。すみません。」と、メッセージを頂戴していました。堀さん、長期間の闘病生活お疲れ様でした。やすらかにお休みくださいませ。合掌
今回、最初に訪れた東平近くの小森で、南方熊楠翁ゆかりの民家の横から小森山に登られ「ここには珍しく庚申さんが見当たらない」と話されていました。 2018.12.5 文責CH
1.今回もほぼ車移動 楽といえば楽でしたが・・・w
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2.南紀熊野ジオパーク学術専門員吉松先生からルート説明と環流丘陵出来方をレクチャー中
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3.丹生ヤマセミ温泉から約5分移動 一番目の環流丘陵見学
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4.かなり隆起の激しい場所 眼下には南方熊楠も訪れたといわれる民家もあった
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6.自然湧出温泉お一人様700円
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8.果無山脈は褶曲のオンパレード地帯
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9.姶良火山灰 2015年に訪れた時には まだ橋桁工事中だったが
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10.山側の中ほど白い筋が姶良火山灰層(AT火山灰層)
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11.姶良火山灰が積もっているところは大昔は川が流れている場所だったようです(約30Mの隆起)
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12.スラストについての説明 この辺りは田辺域では一番古い先輩地層です。
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13.2018年3月19日完成 龍神~中辺路間の国道371号バンジージャンプが出来そうな高さ!
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14.秋晴れランチタイムは大人でも楽しぃ!!
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15.地元メンバーから太っ腹たい焼きの差し入れに感謝感激♡ごちそうさまでした!
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16.殿原の環流丘陵現場
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17.ガードレール側の約20m下には現在の川が
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18.大地の隆起と川の流れが徐々に変わって小山が出来ている
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19.稲刈りが終わった田んぼが広がるのどかな山里
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20.3番目の小森を訪ねて
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21.①②③ 流路変化図
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22.コンセプトは学びと笑いとハイキング♪ お疲れさまでした~♪
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23. ジオポーズは・・・あららら~;;
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24.有意義な一日! ヨッシーさん ご多忙の中大変お世話になりました。
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25.音無川付加体の屈曲構造の簡単な説明
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26.日高川近辺の小森地形
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